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-みなみしゅぞうじょう-
高知市内から東部を結ぶ国道55号線を車で約一時間の安田(やすだ)町。南は太平洋に面し、北からは日本三大美林の一つ、魚梁瀬美林に抱かれ、香り濃い自然の残る町である。
安田の町並みには、白壁のどっしりとした古い商店や醤油蔵があり、かつては卸商や回船業で繁華だった町の潤いは今も息づいている。その中でも最も景観を特色づける様に南酒造場「玉の井(たまのい)」がある。
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明治2年創業、現在で5代目を継承するが、初代の南久吉郎が酒造を始めるまでは、代々船業を営んでおり、屋号は山形屋であった。山形屋初代までさかのぼると、南家としては17代続く、この町でも老舗の家柄を守り続けている。
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玉の井は、平成6年全国新酒鑑評会最高位金賞を受賞。現在の石高の約8割は特定名称酒。更に飲み飽きない酒、喉越しの良さを求めて、吟醸造りを蔵の柱として確立していくことへの意気込みを感じる。それだけではなく、酒の基本である一般清酒も上撰タイプ以上の味わいにランクアップし、酒全体の酒質向上を目指している。この蔵にゆったりと流れる風格、それを育んだ自然、そして、蔵人達の和で築き上げた技が、百二十余年の伝統となって淡麗でつややかな酒を生み出している。
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